農業の3Kを打破する鍵!「スマート農業」とは?

農家のみなさん、こんにちは!ノウカノミカタです。

みなさんはもちろんご存知の通り、農業は、人の生活に欠かせない「食」を担う重要な産業です。しかしその一方で、「3K(=きつい、汚い、危険)」職種ともいわれ、労働力不足や労働負荷の大きさ、作業の危険性は深刻な問題となっています。

そんな問題を解決すべく、近年導入が進んでいるのが「スマート農業」です。「スマート農業」とは、ロボットやAI(人工知能)、IoT(ネットワークの活用)を農業現場で活用することで、これまでの3Kイメージを払拭する"新たな農業の形"をつくり出します。

みなさんも、最先端技術を駆使して、スマートにかっこよく農業をしてみませんか。

農作業用ドローンでラクラク肥料・農薬散布

画像引用:https://mvno.freebit.com/column/iot/smart-farming-merit.html

人力で肥料・農薬散布を行っている農家のみなさんは、その作業を重労働で時間のかかるきついものだと感じているのではないでしょうか。また、さまざまな条件によって起こり得るデメリットも数多くあります。

そんな課題を解決するのが、農作業用ドローンです。ドローンによる肥料・農薬散布のメリットは、大きく分けて、作業時間の短縮や労働力の削減など「①全ての農業者・栽培作物に通じるもの」と、病害の防除やその他管理への応用など「②それぞれの条件で活用できるもの」の2つがあります。

ドローンを活用した事例

①従来の作業方法では、重い動力噴射器を担いで、作物の生育状況を確認しながら、どんな気候下でも広いほ場を歩いて回る必要があり、1ヘクタールあたりの作業時間は2〜3時間です。

しかし、農作業用ドローンを使えば、機体のオペレーター(操縦者)とナビゲーター(誘導者)の2人で作業が完結し、1ヘクタールあたり15分程度で作業が完了した事例もあります。

②静岡県三島市の特産じゃがいも「三島馬鈴薯」を栽培するほ場では、農薬と液体肥料の散布に農作業用ドローンを活用しています。

省力化に加えて、高温多湿の栽培時期に人がほ場に入って茎や葉に接触することで発生する病害の防除にも役立っているそうです。

スマホでハウス内環境をコントロール(IoT)

画像引用:https://farmo.info/product_house/

いちごやトマトなど、より細かな管理が必要とされる作物はハウスで栽培されることが多いですが、肝心のハウス内環境は現地へ足を運ばないと確認できず、その手間や、人が見ていない間に起こる異常を検知・対応できないという問題点があります。

そこで、人の目の代わりになるのがIoTの技術です。ハウス内に、温度や日射量、CO2濃度などが測定できるセンサーを設置し、専用のアプリと連携すると、スマホで測定値を確認することができます。

環境の変化を、「常に見える化」できるようになったのです。

さらに環境制御システムを導入すれば、遠隔や自動で空調設備を操作したり窓やカーテンを開閉したり、栽培環境を常に管理できます。こうして蓄積されたデータを分析して活用すれば、人の感覚では予測できないリスクを回避しやすくなり、より効果的に生産性を向上させることができるのです。

また、センサーは防犯機能として役立てることもでき、特に盗難被害の発生が多いとされているスイカやメロンなどの高価な作物を栽培するハウスでは、扉の開閉センサーや閉め忘れのアラートが、犯行の抑止力や即時の現場対応につながります。

衛星データ×AIが農家の「右腕」に

画像引用:https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/articles/2023_0417.html

「衛星データ」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか。

目にする機会が多い地図の航空写真(土地を上空から撮影した写真図)もそのひとつで、対象物の色や形、大きさなどを正確に確認できることが特徴です。

他にも、地表面の温度や湿度分布を観測することもでき、これらを組み合わせると、ほ場を宇宙から管理できるようになります。(※露地栽培作物に限る)

前章のIoTとの大きな違いは、作物の栽培環境だけでなく生育状況も見えるようになった点で、現在普及しているアプリやシステムでは、葉や茎の色や特定の波長を捉えるセンサーから、生育ステージの確認や病害を発見することができます。

また、AIによる生育診断や作業の提案を受けることもできるため、システム化された栽培ノウハウを、誰もが手軽に利用できるようになっています。

作業計画や記録を一括管理すれば生産履歴としても応用でき、消費者の関心が高まっている食の安全性を証明するデータとなる他、万が一食品問題が起きてしまった際の早期解決にも役立つなど、生産過程を一貫して農家のみなさんをサポートします。

まとめ

ドローン、IoT、衛星データ、AIなど、現代の最先端技術を活用することで、農業の課題を画期的に解決してしまう「スマート農業」

行政による環境整備や支援事業、JAや企業での利用推進の取り組みも広がりを見せており、5年後、10年後には、当たり前の農業の在り方になっているかもしれません。

これからの農業を、誰もが「新・3K(=稼げる、感動、かっこいい)」と呼ぶ未来にしていきませんか。

ノウカノミカタではこれからも皆さんのお役に立てるコンテンツを提供してまいります。

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